様々なマネジメントのスタイル

クリエイティブビジネスをマネジメントする能力は、生まれつき備わるものではありません。著作権法や、法務、税務に関する知識など、本や教科書から学ぶこともあるでしょう。しかしもっと重要なスキル、例えば決断力、戦略の立てかた、契約交渉術、顧客管理の方法などについて、実践に勝る勉強法はありません。そして実践での経験によって、その人の仕事のスタイルが形成されます。マネージャーの数だけ異なるスタイルがあると言えるでしょう。ここではその中から3つの例を紹介します。

「プロデューサー型」

音楽プロデューサーを想像してください。かつて自分もミュージシャンだったという人が少なくありません。彼らは現役時代に培った経験と知識を仕事に活かすことができます。またプロジェクトをどのように進めるべきかについて、クリエイターとマネージャーの両方の視点から考えることができます。彼らは自分がマネジメントしているアーティストたちの可能性を広げていきます。例えば、新しいメンバーやパートナーを紹介したり、創作のプロセスについて的確なアドバイスをしたり、全く新しいメソッドを紹介してみたり、実験的なことにも挑んでみるよう促す、等々。このタイプのマネージャーたちは、クリエイティブな部分に深く関与します。自分の仕事に対して確固たる考えを持っているので、その点では、頑固なクリエイターたちとぶつかってしまい、この仕事に不向きな性格であるとも言えるでしょう。

「ハスラー型」

ハスラーとは押しが強い人のことです。ハスラー型マネージャーは売り込みに余念がありません。仕事上の(また個人的にも)利益を生んでくれそうな人物とコンタクトをとり、よい関係を築くために長い時間をかけます。自分が「何」を知っているかよりも、「誰」を知っているかを重視するタイプです。作品の出来があまりよくなくても、そこから最大限の利益を得ようとします。また、たとえクリエイティブな部分の方向性を決める場面であっても、クライアントの要求と利益の獲得を中心に考えようとします。このタイプのマネージャーとウマが合うクリエイターもいるかもしれませんが、多くは苦手だと思うでしょう。マーケットが望むものを生み出すために、自分の作品を変更したり修正したりしなければならないからです。

「透明型」

クリエイターたちが、誰からも干渉されずに仕事をやり遂げたと感じることができたとしたら、このタイプのマネージャーがよい働きをした証拠です。透明型のマネージャーは、クリエイターたちが最高の成果を出すための環境を作ることが自分の役割と考えています。そもそも多くのクリエイターたちは、作品を作っていく段階で細かいディレクションを必要としません。仕事に集中することができれば、それでいいのです。作品づくりに対してあれこれ言われたくはないでしょうし、誰かにマネジメントしてもらっているという感覚を持ちたくもありません。ただし、きちんとしたビジネスの仕組みはそこにあってほしいと願っています。マネージャーとクリエイター、双方がこのように適切な態度で臨むなら、透明型のマネジメントはうまく機能します。

(おまけ)
カモメ型 (大騒ぎばかりして無能なマネージャー) と呼ばれる人たちについては、まぁ気にしないことにしましょう。