クリエイティブなプロセスの管理 ー 仕事について

しっかりとブリーフィングを行いやるべきことが確認できたら、一度クリエイターたちを隔離するとよいでしょう。

優秀なマネージャーはインスピレーションや革新的なアイデアが生まれる環境を与え、邪魔者を寄せつけないようにします。とは言えこれは理想で、実際に実現するのはとても難しいことです。作業をチェックして必要な変更を加えるという作業は、クリエイティブなプロセスで重要です。クリエイター自身がこの作業を行い、あなたは呼ばれた時に意見を言って承認するだけ、という形が一番望ましいのですが、この関係を築くにはプロセスの最初から準備しておかなくてはなりません。

もし上層部で途中経過をチェックする必要がある場合は、「今まで何が行われたか」「どんな変更があったか」などの行程をよく理解し、決定権を持つ人々に説明できるように準備しておくとよいでしょう。そうしないとどれだけ膨大な作業が行われていたとしても伝わりません。レポートや仕掛品のレビューを読み返すだけでは、まちがいを見落としてしまう可能性があるので十分ではありません。現状をしっかり把握したいのであれば、直接クリエイターを訪ねて教えを請うのが一番です。何かを学ぼうとする人に対して、彼らはきっと快く接してくれるでしょう。あなたの批判に対して待ってましたとばかりに喜ぶ人もいるかもしれません。ポジティブなフィードバックと的を得た質問は、ただ批判したり一方的に指導したりするよりもずっとよいものです。直接接することで、失敗と思われるものの中にも輝く何かが見つかるかもしれません。創造的な環境に慣れることができずに悩んでいるだけでは、新しい発見をすることは難しいでしょう。

一番大切なのはクリエイティブなプロセスを他者の介入(特に、 上層部による過小評価 )や革新的と言えない一般の意見から守ることです。フォーカスグループなどで消費者の意見を集めるというのも時には役に立ちますが、人は見たことのないものを排除しようとする傾向があるということを忘れないでください。

シルビアン・ゴールドマンは1937年にショッピングカートを発明しました。しかし、もし彼が当時の消費者の意見に耳を傾けていたら、作るのはやめていたかもしれません。

最初カートはあまり注目されませんでした。男性はそれを「女性的だ」と批判し、女性は「ベビーカーみたい」と言いました。「どういうつもりなのよ」ある女性は気分を害して、彼にそう言いました。そこで彼は男女のモデルを雇い、自分が経営する店の中でトロリーを使わせてその便利さを披露し、さらに使い方を案内するスタッフを配置しました。その結果、ショッピングカートはすごい勢いで広まり、その1つ1つのカートのロイヤリティによってゴールドマンは億万長者になりました。( ウィキペディア より)

フォーカスグループでは、小さな変化をもったものが受け入れられやすく、革新的なアイデアについては最初見向きもせず、他の誰かがその魅力を丁寧に見せることでやっと理解します。まるで手のひらを返すように。

革新とは、追随ではなく牽引でなくてはならない。