アイデアへの報酬

多くの大企業は、知的財産に対しておかしなアプローチをします。自社の知的財産権は価値あるものとして保護するのに、大企業と仕事がしたいと思っているクリエイターからは、アイデアを無料でもらえるものと思っていることがよくあるのです。

クリエイティブな企業の大半はアイデアを売ることで商売をしています。クライアントはというと、ピッチにはお金がかからないというおかしな定説があるのをいいことに、それを利用しようとします。少し支払うところもあるでしょうが、大概は冗談かと思うほど少なく、その上、作品やアイデアの知的財産権を要求したりします。

小規模のクリエイティブ・エージェンシーに聞けば、どこでも「ピッチでのアイデアをクライアントに勝手に使われた」という話を少なくとも1つは持っているものです。こんなことがあればそのクライアントの評判はエージェンシーのネットワーク間で急落し、取り返しのつかないことになってしまいます。クライアントはもっと注意するべきです。このようなエージェンシーは強固なクリエイターのネットワークを持っていますので、悪い噂が流れればたちまち彼らとの縁はそこで切れてしまいます。

大企業の人々は強力な権力でクリエイターをタダ働きさせられると思っています。大きな契約が後にあることなどをほのめかすのです。しかしこのような姿勢はよくない結果を招いてしまうことが多いようです。優秀なクリエイターはとても忙しいのでピッチの制作に取り組むには、もっと利益のある仕事を断らなくてはなりません。クライアントがピッチの制作に対して報酬を支払わず、「使う場合はそこそこの報酬を支払うから」などと言っている場合、このクライアントは二流のクリエイターと仕事をしているのだと判断することができるでしょう。

アイデアにお金を払うということは、成功する企業の常識です。クリエイターやエージェンシーとの柔軟なネットワーク構築のために必要な投資はR&Dの予算の重要な部分であり、これが他社との競争の中で武器になることを理解しなくてはなりません。