ビジネスの形態はいろいろ

会社を設立すると決めたら、どういう会社にしたいのかを明確にしなければなりません。

最初に挙げたエージェンシーのスタイルが適するのはどのような場合でしょうか。エージェンシースタイルでは、個々のクリエイターをいい意味で孤立化させ、それぞれがフリーランスとして仕事をする立場をとるのと同時に、マーケティングや制作に関するサービス面では、個人ではなくグループで対応することができます。しかし、そのエージェンシー自体もビジネスを成り立たせていかなければならないので、所有し経営する人物が必要です。そうしたエージェンシーは大体パートナーシップか協業の形をとることが多いようです。

パートナーシップを結ぶ場合、通常二人以上の個人が、自分が担当する仕事の責任を果たしながら共に会社を経営します。いわゆる「連帯責任」が求められるケースです。例えばもしあなたのパートナーが、巨額な負債を抱えたり信頼を損なったとしたら、あなたがその穴埋めをすることになる場合もあります。そもそも自由な環境であるべきクリエイティブビジネスにおいて、パートナーに縛られる体制は、アイデアを自由に解放させることの妨げになることもあります。誰でも、パートナーに足を引っ張られるのはご免です。

会社を設立するとなると、何か大事のように感じます。一口に商社といっても、国によってその呼び方も様々ですが(LTD、INC、LLC、PLCなど)、概ね標準化されています。1つの会社は1人以上の株主によって所有されています。株主たちは自分たちが任命した指揮官や委員会に、自分たちの意向に添った形になるように経営を委ね、経営陣は、株主と関連会社の利益を守るため、法務や経理において義務を果たさなければなりません。もし会社が倒産しても、経営陣と株主が負債のすべてを負うわけではありません。いわゆる「リミテッドライアビリティー(限定責任)」という概念です。複雑に聞こえるかもしれませんが、それほど難解ではありません。日常的に会社を設立している人たちもいます。クリエイティブな会社は誰が所有しているのか、誰が実際の経営をするのか、またどのように利益分配や方針の決断が行われるのかについては、別の機会に書くことにします。

利益を追求しない基金やNPO(非営利団体)は、組織が設立される国によって、在り方が異なります。無数の規律や法規でがんじがらめになった複雑な組織形態と言えるでしょう。通常の会社は何人かで構成された経営陣が、日々の実務には関与せず遠隔でその組織の方向性を決めます。とにかく仕事をとってきて、それをこなし、報酬を得るといった小さなクリエイティブの会社にはこのスタイルがよいでしょう。しかし、あなたの会社が芸術的なムーブメントを起こしたい、または人道的に意義のある概念を広げたいなどの大義を掲げるなら、NPOにするのもよいかもしれません。