インスピレーション

誰でも、受け入れる姿勢さえあれば、インスピレーションを得ることができます。見方によっては、イマジネーションとインスピレーションはほぼ同じものです。いずれも個人的経験を基に、個人的発想法によって形作られます。

インピレーションの定義が「神の息」つまり「大いなる存在からの祝福」とされることがあります。多くの著名なクリエイターたちが、自分はただの仲介役であり、偉大なる神の英知が彼らを通して実現されたのだと表現しています。

「インスピレーションとは何か。聖霊たちが神に選ばれし人々の耳元でシッシッとささやき気づかせるもの。まるで聖霊たちがお腹にたまった大いなるガスを解放しているようで、人間にしてみると一風変わった力なのである。」 ヴォルテール(仏思想家)

インスピレーションを得るプロセスは謎が多いようにも見えますが、ひとつ確かなのは、インスピレーションはそれを受け止める準備ができている人に訪れるということ。それはどこからともなく、いつ到着するかも分からずに突然降って湧きますが、受け手側の我々が感じる努力をすればする程、よいインスピレーションを受けるチャンスが増えます。予期できないものであっても、その時をじっと待ち続けていればよいわけではありません。

「インスピレーションは存在する。努力していれば、向こうが我々を発見するのだ」~ パビロ・ピカソ

ニコラ・テスラー(米物理学者/発明者)は、インスピレーションを得る為にはまず時間と労力を費やし、しっかりとその問題に集中し、その後はそのことはすっかり忘れ心の中から追い出してしまうと言っています。インスピレーションは注意を完全に逸らすことができた時にやってくるものだと信じていました。

〜 テスラーの回想 〜 個人的に覚えている快い記憶について話をしよう。ある日の夕方、友人と市街地の公園を散歩していた。私は、ある詩を声に出しながら歩いていた。その頃はたくさんの書物や詩をひと言も逃すことなく記憶していたのだ。暗記した本のなかにゲーテの「ファウスト」があった。夕陽がちょうど傾き始めたその光景それは私にファウストの中のある一説を思い起こさせた。

The glow retreats, done is the day of toil;
It yonder hastes, new fields of life exploring;
Ah, that no wing can lift me from the soil
Upon its track to follow, follow soaring!

このインスピレーションに満ちた数々の言葉を発していると、稲妻の閃光のように、あるアイデアが私の中で浮かんだ。その瞬間、真実がわかったのだ。その6年後、私は木の棒をもって砂のうえにある図を描いた。アメリカン・インスティテュート・エレクトリカルエンジニア内の私の家の前で木の棒を使って砂に図を描いたのだ。その時一緒にいた人は私が意図したことを完全に理解した。あの時見た私のイメージは素晴らしくシャープでクリアであった。また金属や石のように硬く確かなものでもあった。私はその彼に「僕のモーターを見てほしい。これからリバースもしてみせる」と言った。そのときの感激は言葉に表せない程だった。自作の彫像に命が宿ったとされるギリシャ神話のピグマリオンですら、自分の作品に命が吹き込まれたその瞬間にこれほどの感動を味わってはいなかったであろう。 〜ニコラ・テスラー(誘導電動機の発明者)〜