マーケティングとポートフォリオ

分かりきったことのようですが、クリエイティブな仕事をしたいあなたにとって最良のマーケティングの方法は、作品を見せることです。

見て(聞いて/触れて/味わって)もらうには、さまざまなやり方がありますが、まず作品が発表できる状態になっていることが大前提です。この最も基本的なことができていないクリエイターが多く、驚くことがしばしばあります。1つのプロジェクトが終了し、無事提出された途端にすぐ次の仕事のことで頭がいっぱいになり、それぞれの作品を記録し、資料として保存しておくことを等閑(なおざり)にしてしまいがちなのです。

まず出来映えのよい作品をいくつか揃えること。作品がパフォーマンスやインスタレーションの場合は、撮影してきちんと編集しておくこと。編集しないままの撮影素材が棚の上でホコリをかぶっていることのないように。それでは所詮、無用の長物になってしまいます。それなら作品をウェブで配信するほうがよいでしょう。アートの作品なら、それが展示されている状態で写真におさめること。しかも印刷に耐え得る、よいクオリティーのものであることが重要です。写真の小さく、不鮮明だという理由だけで、雑誌取材の貴重な機会を逃してしまうことがないようにしましょう。もちろん写真をウェブサイトに載せるのも、最低限やらなければならないことです。

「2005年以降、ウェブサイトを持っていないというのはもう通用しない。」

あなたにとってウェブサイトは、クライアントにつながる最初の、そして時には唯一のウィンドウなのです。ソフトウエアやホストは山ほどあります。迅速に、しかも低料金でサイトを作ってくれるプログラマーもたくさんいます。自分のサイトができるまでの間は、写真なら Flickr 、映像なら YoutubeVimeo などの共有サイトに作品をアップロードすることができます。

「自分の作品に自らダメ出しをしないこと。」

デモテープ、ポートフォリオ、ウェブサイトのURL等どんな形であれ、自分の作品を誰かに手渡す時にあれこれ言い訳を加えては絶対いけません。「8トラックを友達から借りて作っちゃいましたよ。スタジオは高いのでね。サックス担当がその日ひどい風邪でね。そんなわけであんまりいいできじゃないんですよね」とか、「この映画、アイスランドで撮影予定だったのですが、クライアントからお金をもらえなくて、バタシー(ロンドン市内南西部の寂れた地区)で撮っちゃっいましたよ」とか「クライアントには蛍光ピンクにしたら悲惨な結果になるってボクは言いましたよ。ほら、その通りでしょ!」などと、くれぐれも言わないように。

「できの悪い作品は見せない。またよい作品なのに自ら弁解めいたことは言わない。」

発表に耐え得るよい作品が無い場合は、今すぐ創りましょう。現実的でなくても大丈夫。ただ自分がいいなぁと思う作品をつくればいいのです(建築家たちの多くは、最初の10〜15年程は仕事がなく見せるものも殆どなかったりする)。自分が創作してみたいもの、心揺さぶられる何かをクリエイトしてみて下さい。それが住宅なら、実際に建てなくても3Dコンピューターで視覚化できますね。かっこいいコマーシャルを作ってみたいなら、まずストーリーボードを仕上げ、撮影場所や機器を探して実際に撮ってみる、アニメでも実写のパイロットでも。どうしても何かを創ってみたいという気概があるなら、道は自ら切り拓いていくものなのです。