プレゼンテーション

プレゼンテーションのテクニックを説く書物は膨大にあります。関係書のなかに挙げた何冊かを参考にしていただきたいのですが、そこにはプレゼンテーションで実際にしゃべる時間の長さから書類のフォントのサイズまで書かれているので、ここではもっと根本的な事柄について述べましょう。

あなたの「しゃべり」がいかに滑らかであっても、3Dの画像やらムードボードやらマルチトラックデモやらを駆使したとしても、実際のプレゼンテーションでその力が発揮されない状態に陥ってしまっては元も子もありません。あなたのアイデアがどんなに素晴らしいものであっても、プレゼンテーションがとっちらかってしまったのでは、クライアントからよい返事をもらうことは望めません。

ある医者に自分が手術を受ける場面を思い浮かべて下さい。その医者はまずあなたの名前を覚えていないし、体温計を床に落とすし、レントゲンの装置が動かないと言っています。そして、恥ずかしさを隠すように笑い始める。あなたは、どれほど迅速にその医者の元から走り去って逃げるでしょうか?

クライアントは自分たちがあまり精通していない事柄について決断をくださなければならない人たちなのです。依頼をした作品の出来、不出来によって、自社の業績、ひいては自分たちの担当する仕事に大きな違いが生じる。だから、とても緊迫しているのですね。そこで、プレゼンテーションにおいて、あなたはまずクライアントに自分は有能できちんと準備をし、コミュニケーションも上手だし即断もできる素晴らしい人間だと思ってもらうことが大切です。そしてもちろん、あなたの仕事、作品、考えが、光るものでなくてはならない。どのようなスタイルのプレゼンテーションでも、きちんと準備をすることが何より重要なのです。

「うまい即興のスピーチを書くのに、私なら大体3週間はかかる。」~ マーク・トウェイン(米作家/小説家)

まずプレゼンテーションでしゃべることを整理して書き、スライドやプロダクトの実物を準備し、リハーサルをすること。そして繰り返しリハーサルすること。また、原稿を読まずに話せるように練習しよう。(そうすれば原稿の紙に向かってぶつぶつしゃべるのではなく聞いている人たちのか顔をしっかりと見ていられる。)そして、一晩おいて次の朝、もう一度そのプレゼンテーションがきちんと意味を成すか確認すること。

コツやテクニックもいろいろありますが、何よりも準備がきちんとできていなければ何の効果もありません。準備の他にもひとつ覚えておいてほしいことがあります。それはプロジェクターについて。プレゼンテーションにプロジェクターを使う時は、必ず事前に操作を試すのを忘れずに。クライアントの前でしゃべる以前に、その機種や操作方法などを確認します。そうしないとうまく本番で操作できず、恐怖感がにじみ出し大失敗を招くこと請合いの「特性チップ搭載プロジェクター」に遭遇してしまうかもしれないのですから。