グレートプリテンダー

何かを創造すること、それは時に謎めいたプロセスのように感じられます。新しいアイデアやインスピレーションが訪れるのをじっと待つ。一体全体、どこからそれが生まれてくるのかは、誰にも分からない。

「自分では何をやっているのかよく分からないが、それが最高であると感じられる時、それこそがインスピレーションなのである。」〜ロバート・ブレッソン(仏の映画監督)

クリエイティブな仕事をして生計を立てようと思うのなら、自分が完全に理解もコントロールもできないプロセスに、心身を委ねることが必要です。これはかなり恐ろしいことです。勇気と自信がなければ叶いません。自分を信じるか否か。時にこのことだけが「プロのクリエイター」と「プロになりたいクリエイター」との分かれ目のように思います。

病的に自負がある人は別として、人は時に自分を信じることができなくなったりするものです。クリエイターとして生きる道には、不安や恐怖感が溢れています。いつでも亡霊のように付きまとうでしょうが、怯えてはいけません。そうした負の感情をしっかり認識するのは非常に大切なことです。

「失敗するのではないかという恐怖感は、自ら作り上げた自己予言である。」

朝、あなたが目覚めた時、その日何か価値のある成果を出せるのかという不安に陥ってしまったら、思い出して下さい。自分は多くの人が自信の欠如から試みようともしなかった、クリエイティブの道を選んだのだと。あなたは非凡な道を選んだ。自分の考えを形にしていくことを選んだ。何かをクリエイトする度にあなたは、失敗する危険と成功の可能性を同時に持っている。うまくいかないのではという恐怖感は避けられない。その恐怖を自らの仕事の一部と認めることができたら、あなたは自分の選んだ道に、多くの歓びを感じられることでしょう。反対に、恐れの感情に屈してしまうなら、その日は一日中壁に突き当たり、なかなか仕事が進まないかもしれません。

契約を結ぶ場においても、あなたが恐れの感情からその交渉に臨むのなら、不安から必要以上に守りに入ってしまいます。ビジネス側の人たちには、クリエイターの無防備なところ、そして時には感情的にもなってしまう性質を理解してほしいと思います。またクリエイター特有の弱みにつけこんでビジネスを進めようとすれば、よい結果は得られないこともすぐに分かるはず。深い相互理解とコミュニケーションが、一番効果的なツールとなり、よりよい結果を生み出す。クリエイターの脆弱な部分を叩いたり、悪く利用しようとすれば、結果は惨めなものになる。そういうものなのです。