どのタイプのビジネスを選ぶか?

クリエイターは、素晴らしい作品を作り、その対価としてフェアな報酬を受け取りたいと考えます。とてもクリエイティブとは言えない作業、例えば帳簿をつけたり、税金を払ったり、クライアントから集金したりするために、貴重な時間を使いたくありません。言っていることを全く理解できないクライアントと一緒に仕事をすることも同じです。一日の半分が電話の応対で終わるなんてまっぴらです。

そのような仕事は、だれか他の人にやってもらいたい。しかしアシスタントを雇う余裕がない。ましてや、経営を見てくれるマネージャーや代理人、秘書、税理士、弁護士を雇うなんて到底考えられない。よくある話である。そんな状況に陥っているのはあなただけではない。むしろ、同じような境遇にある人のほうが大多数なのだ。

クリエイターなら誰もが、できる限り多くの時間をクリエイティブな作業に使いたい。それは夢のような話なのか?いや、実現は可能だ。少なくともチャンスはある。まずは、その夢のような環境を目標として、クリエイティブ以外のビジネスに関する業務は、以下に挙げるいずれかの方法で処理をする。

  1. 同じ目的意識を持った仲間が、それぞれの能力を結集させ、お互いに補い合いながら、それぞれがやりたい仕事に集中できる組織を作る
  2. あなたが活動する分野において、営業や経理、制作などに精通している、フリーの人材を雇って業務を代行してもらう
  3. すべて自分でこなす
  4. 起業はせず、誰かの元で働く

もしかしたら、自由な労働環境を与えてくれる素晴らしい企業が就職先として見つかるかもしれない。あなたがやりたくない仕事を押しつけることはせず、部分的に知的財産の所有権も認めてくれて、給与もかなりよい。そんな企業を見つけることが出来たら、あなたは本当にラッキーだ。

あなたがすべてをこなす時間、スキル、集中力を持ち合わせている場合は、全く自由に、独自のスタイルでそのまま突き進んでいけばよい。だが、おそらく自分の時間を大幅に削ることになる。ビジネスの業務と自分のクリエイティブな活動の両方を上手に操っていける才能豊かな人は、なかなかいない。自分ですべてを管理できないからといって、恥だと思う必要はない。自分が本当にやりたい事は何かをじっくり考えて、それが分かったらとにかく実行あるのみである。

すでにあなたの仕事を請け負ってくれるフリーランスのエージェントやマネージャー、またはプロデューサーを雇用できるているなら、あなたはもうかなり成功している。仕事のよくできる人材を探すのは難しい。有能な人たちはすでに十分な仕事を抱え、忙しく駆け回っているのだから。

才能にあふれたクリエイターは珍しくない。ところが、才能にあふれたプロデューサーは、あまりいない。その理由の一つは、歴史的背景にある。

腕のいいマネージャーやプロデューサーは、より報酬の多い仕事に流れていく。昔ながらのクリエイティブビジネスでは、クリエイターへの報酬の額がある程度決まっていて、場合によっては莫大な額を見込むことができる。マネージャーやプロデューサーは、そのような仕事をしたいと考える。「昔ながらのクリエイティブビジネス」とはつまり音楽や映画産業で、これらの分野では、一回のヒットが莫大な利益を生むことがある(そしてひとつの作品のヒットがほぼ瞬時に次の作品を創ってほしいという要求を生み出す)。音楽や映画産業で知的財産権がきちんと管理されているのはこの莫大な収益のためです。著作権や利益分割、ポイントなどの収益に対するパーセンテージによって、クリエイターに支払われる金額も決まります。そこにはビジネスマネージャーたちにとっても多くのチャンスがあります。契約交渉やプロダクションマネージメント、作品のさまざまなライセンシング、またマーケティングなど彼らにとって数々の仕事の場があるのです。

しかし、他の多くのクリエイティブの分野では、彼らを雇えるだけの利益を生み出すことが難しい。クリエイティブの仕事の多くは、今だに「Work for hire=言われたことを言われた通りにやる、必要最小限の仕事」の域を出ていないのです。しかし、インターネット上でのダイレクトマーケティングがこの状況を変えつつあります。個人のクリエイターにもグローバルな規模のマーケットへ直接アクセスすることが可能になったのです。 アルビン・トフラー(米/未来予見家)がいう「プロシューマー」の台頭です。エネルギッシュで革新的な考えを持つ起業家たちが、利益を生み、よい暮らしをしていける時代になったのです。